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【木造建設物】 耐震性能の確保について学びました。
2025.10.6
- 社内ブログ

弊社の新社屋建設の構造設計を担当してくださっている下山建築設計室の下山聡先生より
”木造建築物の耐震性能の確保”について学びました。
下山 聡 氏 プロフィール
構造家
1996年 下山建築設計室設立
2007年〜竹原義二氏や中村好文氏など著名な建築家の構造設計を協働で手がける
2014年〜関西大学非常勤講師
吉岡賞、藤井厚二賞受賞
木の性質を生かした構造デザインと大工仕事への敬意と熱意をもった構造家
「木造構造計画の考え方」講師 下山聡氏 お知らせ | Blog | ikkenより
今回、弊社に来ていただき、現場監督、大工に向けて講習をしていただきました。
釘のめり込みの危険性
構造要素である床や壁を止める釘は、『めり込ませない』ように打つことが非常に重要です。釘を打ち込む際、電動工具を使うと、ついつい力を入れすぎて釘の頭が木材に深くめり込んでしまうことがあります。しかし、この「めり込み」が建物の耐震性を著しく低下させてしまいます。
釘がめり込むと、木材繊維が破壊され、釘が木材をしっかり掴む力が失われます。これより「保持力」の低下が発生してしまいます。すなわち、釘が本来持っているはずの強度を発揮できなくなり、特に地震の際には、この保持力が建物の揺れを吸収・分散する上で不可欠なため、めり込んだ釘はほとんど役に立たなくなってしまいます。
釘の頭が木材の表面にきれいに密着し、めり込まずにいる状態が理想です。職人は、めり込みを避けるために釘を打つ深さを慎重に調整する必要があります。
軸材に構造用合板を釘で留め付ける場合、釘の保持力は、釘の頭の大きさ、合板の密度、合板の厚さ、軸材の密度の四つの要素で決まり、いずれもその数値が大きいほど、釘の保持力は高まります。
釘をめり込ませるということは、この四要素のうち合板の厚さが変化したとき、厚さ9㎜の構造用合板では、厚さ5㎜の構造用合板を留め付けた場合と同等の保持力になってしまいます。
木造建築の強さは、「釘を正しく打つ」という基本的な作業の積み重ねによって確保されることを改めて実感しました。
釘の間隔の重要性
建物の耐震性を決める「耐力壁」には、『構造用合板』が使われます。この合板を柱や梁に正しく取り付けることが、耐震性を確保する上で非常に重要です。
合板を留め付ける際、釘の間隔も重要な要素です。耐力壁の性能を示す「壁倍率」は、この釘の間隔によって決まります。釘の間隔が広すぎると、壁全体に力が均等に伝わらず、本来の耐力壁としての性能を発揮できません。設計図に指定された釘の間隔(例:外周部100mm、中間部200mmなど)を厳守する必要があります。
また、釘を打つ際には、構造用合板の端部にしっかりと打つことも大切です。合板の端から離れた場所に打ってしまうと、釘が合板を留める力が弱くなり、地震の際に合板が剥がれてしまうリスクが高まります。
地道な作業が安全な建物を生み出す

耐震性は目に見えない部分ですが、正しい施工を怠らないことで、安全な建築物が完成します。こうした細部へのこだわりこそが、建物の品質を決定づけるのだと、心に深く刻まれた一日でした。
このような大変貴重な時間を作ってくださった下山先生、ありがとうございました。
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