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危険物施設の安全対策:保有空地と保安距離の基礎知識
2025.2.21
- 社内ブログ

危険物を安全に取り扱うためには、適切な保管施設の設置が不可欠です。
その中でも、「保有空地」と「保安距離」は、火災や爆発事故発生時の被害を最小限に抑えるための重要な安全対策です。
しかし、この二つは混同されやすく、それぞれの意味や役割を正しく理解しておく必要があります。
危険物倉庫の周りに広がる空き地、それこそが「保有空地」

ガソリンや灯油など、身近なものでも取り扱いを間違えると大きな災害につながる危険物を扱う施設では、常に注意が必要です。万が一の火災に備え、周囲への延焼を防ぎ、消防活動をスムーズにするために、この保有空地が設けられています。つまり、危険物倉庫は、危険物を安全に扱うだけでなく、万が一の事態も想定した対策が必要なのです。また、危険物施設と特定の建物との間には「保安距離」という一定の距離を保つ必要があり、これは爆発事故などによる被害を軽減するためのものです。保有空地は火災の延焼防止や消防活動のスペース確保を目的とし、保安距離は爆発事故などの被害軽減を目的とする、という点で役割が異なります。危険物施設建設の際は、これらの違いを理解し、適切な安全対策を講じることが重要です。
保有空地が必要な施設

以下のような施設は、保有空地を設けなければなりません。
- 製造所: 危険物を製造する施設
- 屋内貯蔵所: 危険物を屋内に貯蔵する施設
- 屋外貯蔵所: 危険物を屋外に貯蔵する施設
- 屋外タンク貯蔵所: 危険物を屋外のタンクに貯蔵する施設
- 一般取扱所: 危険物を取り扱う施設(販売取扱所、給油取扱所、移送取扱所を除く)
- 簡易タンク貯蔵所(屋外設置のもの): 屋外に設置された簡易的なタンクに危険物を貯蔵する施設
- 移送取扱所(地上設置のもの): 地上に設置されたパイプラインなどで危険物を移送する施設

この記事では、「保有空地」と「保安距離」について、以下の3つのポイントに焦点を当てて解説します。
1.それぞれの定義と役割
2.具体的な基準と計算方法
3.混同しやすいポイントと注意点
1. 保有空地と保安距離の定義と役割
保有空地とは

保有空地とは、危険物施設の周囲に設けられる一定の空き地のことを指します。
その主な役割は以下の通りです。
- 火災時の延焼防止: 万が一、危険物施設で火災が発生した場合、周囲への延焼を食い止める役割を果たします。
- 消防活動のスペース確保: 消防隊が消火活動を行うためのスペースを確保します。
- 避難経路の確保: 従業員や近隣住民が避難するための経路を確保します。
保安距離とは

保安距離とは、危険物施設と特定の施設(例:住宅、学校、病院など)との間に確保すべき距離のことを指します。
その主な役割は以下の通りです。
- 爆発時の被害軽減: 万が一、危険物施設で爆発事故が発生した場合、被害を軽減する役割を果たします。
- 二次災害の防止: 火災や爆発事故による二次的な災害(例:有毒ガスの拡散)を防止します。
2. 具体的な基準と計算方法

保有空地の基準
保有空地の幅は、危険物の種類や量、施設の構造などによって異なります。
具体的な基準は、消防法や各自治体の火災予防条例で定められています。
一般的には、指定数量の倍数や施設の構造に応じて、一定の幅の空地を確保する必要があります。
保安距離の基準
保安距離は、危険物施設の種類や量、保安対象物の種類によって異なります。
具体的な基準は、消防法や各自治体の火災予防条例で定められています。
一般的には、住宅や学校などの人が集まる施設ほど、より長い保安距離が求められます。
3. 混同しやすいポイントと注意点
保有空地と保安距離は、どちらも危険物施設の安全確保のために重要な概念ですが、その役割や基準が異なります。
- 保有空地: 危険物施設の周囲に設けられる空き地
- 保安距離: 危険物施設と特定の施設との間に確保すべき距離
混同しやすい点としては、どちらも距離に関する基準であるという点が挙げられます。
しかし、保有空地は施設自体の周囲に設けられるのに対し、保安距離は施設と特定の対象物との間に確保されるという点が大きな違いです。
危険物施設の建設や管理を行う際には、保有空地と保安距離の違いを正しく理解し、適切な安全対策を講じるようにしましょう。
危険物施設の安全対策 まとめ

今回は、「保有空地」と「保安距離」という、危険物取り扱いの基礎知識について解説しました。
それぞれの定義や役割、具体的な基準、混同しやすいポイントなどを理解することで、危険物施設の安全管理に役立てることができます。
危険物に関する知識は、安全な社会を実現するために非常に重要です。
今後も、危険物に関する様々な情報を発信していきますので、ぜひ参考にしてください。
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